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1-4|茶道の流派|三千家とさまざまな流派|茶道の基礎知識

更新日:6 日前

茶道入門ガイド



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■ 茶道の基礎知識 ■

茶道の流派






❚ 目次 











❚ 01.流派とは 

流派とは主に日本で用いられる言葉で、特定の同じ文化や技術の中で異なる流儀や定義に基づき、それぞれ独自に発展を遂げた形式を指します。



今日の茶道における代表的な流派は千家開祖/抛筌斎千宗易利休(1522-1591)の三人の曾孫が創設した表千家、裏千家、武者小路千家からなる「三千家」です。



しかし茶道には「三千家」以外にも多くの流派が存在します。三千家は千利休を祖として受け継がれてきたものですが、三千家が創始される以前からある流派や、千利休の頃に創始した流派、三千家の流れを汲む流派、さらに近代に独自に生まれた流派など、さまざまな流派が幾多存在しています。











❚ 02.三千家とは 

千家開祖/抛筌斎千宗易利休(1522-1591)の提唱した茶道は利休没後、後妻・千宗恩(生年不詳-1600)の連子であった千家二代/千少庵宗淳(1546-1614)を経て、その子である千家三代/咄々斎元伯宗旦(1578-1658)に受け継がれました。

そして千家三代/咄々斎元伯宗旦の三人の息子がそれぞれ家督を継承することで、「三千家」が誕生することとなりました。






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三千家

三千家についてはこちらをご覧ください。












❚ 03.さまざまな流派 ~利休以前~



奈 良 流 (珠 光 流)

読み:ならりゅう (しゅこうりゅう) 開祖:村田珠光(1423-1502) 室町時代(1336-1603)中期に村田珠光によって創始された茶道の流派。 珠光は、奈良の称名寺で出家し、一休宗純に師事して禅の教えを学びました。彼は、禅の精神を茶の湯に取り入れ、「侘び茶」の理念を追求し、茶事の礼法を確立しました。奈良流は、茶の湯が日本独自の文化として発展する礎を築いたとされています。

東 山 流

読み:ひがしやまりゅう 開祖: 室町時代(1336-1603)中期、足利義政(1436-1490)の東山山荘を中心に発展した「東山文化」の影響を受けた茶道の流派。 この時期、能阿弥(1397-1471)が茶の湯の発展に寄与し、禅の精神や「わび・さび」の美学を取り入れた茶風を確立。 東山流は、茶道の精神性や美意識の形成に大きな役割を果たしました。

堺 流

読み:さかいりゅう 開祖:武野紹鴎(1502-1555) 室町時代(1336-1603)後期に堺の商人であり、茶人でもあった武野紹鴎によって創始された茶道の流派。 紹鴎は、村田珠光(1423-1502)の茶風を受け継ぎ、質素で簡素な「わび」の美学を重視。 紹鴎の茶の湯は、後に千利休(1522-1591)へと受け継がれ、茶道の発展に大きな影響を与えました。

志 野 流

読み:しのりゅう 開祖:蜂谷貞重(1759-1826) 室町時代(1336-1603)に志野宗信(生年不詳-1522)が創始した香道の流派として知られていますが、茶道の流派としても存在。 江戸時代(1603-1868)に鳥取藩の支藩である鳥取東館藩主・池田仲雅(1780-1841)が志野流の茶道を好み、流祖像を作り、茶道志野流十一代/大谷春水(生年不詳-1849)を茶頭として志野流茶道を指導させたことにより、因幡地方に伝わりました。 今日、鳥取県では「志野流茶道松風会」が活動しており、志野流の茶道の伝統と作法を継承・普及しています。また、宗家継承については、合議によって次代を決めている。










❚ 04.さまざまな流派 ~利休系~

「利休七哲」「利休十哲」をはじめとする千家開祖/抛筌斎千宗易利休(1522-1591)の直弟子を創始者とし、一般的に武家茶道と呼ばれる流派。



藪 内 流

公式HP:https://www.yabunouchi-ennan.or.jp/ 読み:やぶのうちりゅう 開祖:藪内剣仲(1536-1627) 安土桃山時代(15731603)の茶人・藪内剣仲を祖とする茶道の流派。 剣仲は、千利休の高弟であり、質素で静寂な茶風を重んじました。 藪内流は、独自の点前や作法を持ち、現在もその伝統が継承されています。 織 部 流

織 部 流

読み:おりべりゅう 開祖:古田織部(1544-1615) 安土桃山時代(15731603)から江戸時代初期にかけて活躍した茶人・古田織部を祖とする茶道の流派。 古田織部は、千利休の高弟として茶の湯を学び、その後、独自の美意識と創意工夫を加えた「織部好み」を確立。特に、緑釉を用いた「織部焼」と呼ばれる陶器は、歪んだ形状や自由奔放な絵付けが特徴で、従来の茶道具の概念を打ち破る革新的なものでした。 また、茶室の設計にも非対称の美や意外性を取り入れ、形式にとらわれない自由な発想を重視。織部流は、その斬新な美学と独自の作法により、茶道界に新たな風を吹き込み、後世の茶人や芸術家に影響を与え続けています。

上田宗箇流

公式HP https://www.ueda-soukoryu.com/ 読み:うえだそうこりゅう 開祖:上田宗箇(1563-1650) 安土桃山時代(15731603)から江戸時代(1603-1868)初期にかけて活躍した武将であり茶人でもある上田宗箇が創始した茶道の流派。 宗箇は、千利休や古田織部に師事し、武家茶道の実践的な作法と美意識を融合させた独自の茶風を確立しました。上田宗箇流は、武家社会の礼法と茶の湯の精神を重んじ、現在もその伝統が継承されています。

遠 州 流

読み:えんしゅうりゅう 開祖:小堀遠州(1579-1647) 江戸時代(1603-1868)初期の大名であり茶人でもある小堀遠州が創始した茶道の流派。 遠州は、千利休や古田織部の茶風を学び、武家社会に適した格式と優雅さを兼ね備えた茶道を確立しました。その茶風は「遠州好み」と称され、簡素でありながら品格のある美意識が特徴。遠州流は、武家を中心に広まり、現在もその伝統が受け継がれています。

有 楽 流

読み:うらくりゅう 開祖:織田有楽斎(1547-1621) 織田信長(1534-1582)の弟である織田有楽斎が創始した茶道の流派。 有楽斎は、千利休に師事し、武家茶道の格式と侘び茶の精神を融合させた独自の茶風を確立しました。有楽流は、質実剛健でありながら、洗練された美意識が特徴で、現在もその伝統が受け継がれています。

三 斎 流

読み:さんさいりゅう 開祖:細川忠興三斎(1563-1646) 戦国時代から江戸時代(1603-1868)初期にかけて活躍した武将・細川忠興三斎が創始した茶道の流派。 忠興は、千利休に師事し、利休七哲の一人として知られています。三斎流は、利休の茶風を忠実に受け継ぎ、丁寧な点前や古式の作法を重視することが特徴。










❚ 05.さまざまな流派 ~宗旦系~ 

千家開祖/抛筌斎千宗易利休(1522-1591)の教えを継いだ孫の千家三代/咄々斎元伯宗旦(1578-1658)の流れを汲む三千家をはじめ「宗旦四天王」を開祖とする流派。



宗 偏 流

公式HP https://sohenryu.com/ 読み:そうへんりゅう 開祖:山田宗偏(1627-1708) 千家三代/咄々斎元伯宗旦(1578-1658)の高弟であった山田宗偏が創始した茶道の流派。 宗偏は、千家の茶風を基礎としつつ、独自の作法や美意識を取り入れ、宗偏流を確立。 その茶風は、質素でありながら洗練された美しさが特徴とされています。

庸 軒 流

読み:ようけんりゅう 開祖:藤村庸軒(1613-1699) 千宗旦の高弟である藤村庸軒が創始した茶道の流派。 庸軒は、近江国の久田宗栄の子で、京都の呉服商・藤村家の養子となりました。 茶の湯は、はじめ藪内紹智(1678-1745)に学び、後に小堀遠州(1579-1647)や金森宗和(1584-1657)、千宗旦に師事しました。 庸軒流は、漢学的素養を取り入れた独自の茶風が特徴で、現在も各地でその伝統が継承されています。

久 田 流

読み:ひさだりゅう 開祖:

堀 内 流

読み:ほりのうちりゅう 開祖:堀内宗心(1826-1899) 表千家十一代/碌々斎瑞翁宗左(1837-1910)の高弟である堀内宗心が創始した茶道の流派。 宗心は、表千家の茶風を基礎としつつ、独自の美意識と作法を取り入れ、堀内流を確立。 その茶風は、質実剛健でありながら、繊細な趣を持つとされています。

松 尾 流

読み:まつおりゅう 開祖:松尾宗二(1677-1752) 江戸時代(1603-1868)中期の茶人・松尾宗二によって創始された茶道の流派。 宗二は表千家の高弟であり、名古屋を拠点に茶道を広めました。松尾流は、表千家の伝統を基盤としつつ、独自の作法や美意識を持ち、特に名古屋を中心に発展。 男性と女性で異なる点前を行うなど、独特の作法が受け継がれています。

江戸千家

公式HP http://www.edosenke.jp/ 読み:えどせんけ 開祖:川上不白(1716-1807) 江戸時代(1603-1868)中期の茶人・川上不白によって創始された茶道の流派。 不白は表千家七代/如心斎天然宗左(1705-1751)の高弟であり、江戸で茶道を広めるために独立。 江戸千家は、表千家の伝統を受け継ぎつつ、江戸の文化や風習を取り入れた独自の茶風を持ち、現在も多くの門弟によってその教えが伝えられています。

速 水 流

公式HP https://hayamiryu.com/ 読み:はやみりゅう 開祖:速水宗達(1727-1809) 江戸時代(1603-1868)中期の茶人・速水宗達によって創始された茶道の流派。 宗達は裏千家八代/又玄斎一燈宗室(1719-1772)から茶道を学び、岡山で独自の流派を立ち上げました。 速水流は、裏千家の茶風を基礎としつつ、地域の風土や文化を取り入れた特色ある茶道を展開しています。










❚ 06.さまざまな流派 ~道安系~ 

大阪堺にある堺千家(本家)を受け継いだ千家開祖/抛筌斎千宗易利休(1522-1591)の実子である千道安(1546-1607)の流れを汲む流派。



宗和流

公式HP https://www.sowaryu.jp/ 読み:そうわりゅう 開祖:金森宗和(1584-1656) 江戸時代(1603-1868)前期の茶人・金森宗和によって創始された茶道の流派。 宗和は千利休の孫弟子であり、華やかで雅な「宗和好み」の茶風を打ち立てました。 宗和の茶の湯は公家や上流武士の間で愛好され、優美な作法や意匠が特徴。

石 州 流

公式HP https://sekisyu.jp/ 読み:せきしゅうりゅう 開祖:片桐石州(1605-1673) 江戸時代(1603-1868)初期の茶人・片桐石州を祖とする茶道の流派。 石州は千利休や古田織部の茶風を学び、武家社会に適した格式と実用性を兼ね備えた茶道を確立。 石州流は武家を中心に広まり、その茶風は「石州好み」と称され、簡素で洗練された美意識が特徴。

不 昧 流

読み:ふまいりゅう 開祖:松平不昧(1751-1818) ​江戸時代(1603-1868)中期の大名であり茶人でもある松平不昧を祖とする茶道の流派。 松平不昧は、出雲松江藩の第七代藩主であり、茶道具の収集や茶会の開催を通じて、茶道文化の発展に大きく貢献。 茶道の精神性と実用性を融合させた「不昧流」を確立し、独自の美意識と作法を伝えました。不昧流は、質素でありながら品格のある茶の湯を重んじ、現在も多くの茶人に受け継がれています。










❚ 07.さまざまな流派 ~近代系~ 

近代に創始された独自の流派及び系譜未詳の流派。



大日本茶道学会

公式HP https://santokuan.or.jp/ 読み:だいにほんさどうがっかい 開祖:田中仙樵(1875-1960) 明治三十一年(1898年)に裏千家十三代/圓能斎鉄中宗室(1872-1924)の門人であった田中仙樵の提唱により、初代会長に鳥尾小弥太(1848-1905)を迎え、「高台寺」に創立。 「秘伝開放」や「茶道本来無流儀」を掲げ、流派を超えた茶道の研究と普及を目指。 運営主体は公益財団法人三徳庵で、東京都新宿区左門町に本部を構えています。 今日も、茶道文化の研究・振興に取り組み、茶道を親しみやすいものとして発展させる活動を続けている。










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