8-1|中川家とは|中川浄益|中川家|金物師|千家十職|
- ewatanabe1952

- 2023年3月30日
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更新日:11月22日
千家十職

■ 中川家|中川浄益|金物師 ■
中川家とは
❚ 中川家とは
中川家~なかがわけ~とは、千家十職の内の一家で金工~きんこう~を業とする職家。
中川家の金工品は、茶の湯の厳格な作法に適応しつつ、細部まで緻密な技術と洗練された意匠が施されているのが特徴です。鉄、銅、銀などの金属を用いた造形美と、使い込むほどに味わいを増す仕上げが、千家の茶道具としての品格を支えています。特に、金属の質感を生かした独特の風合いや、伝統的な技法を駆使した彫金・鍛金の技術は高く評価されています。
中川家は、茶の湯の発展とともに技術を磨き、千家好みの金工茶道具を代々にわたり制作してきました。その作品は、時代の変遷を経ながらも、伝統の技法を守り続け、茶の湯の世界に欠かせない存在となっています。
❚ 中川家のあゆみ
中川家の先祖は、越後高田佐味郷に居住し、当初は「甲冑」や「鎧」などを制作していたとされ、戦国の世を経て、茶の湯が武士や町人の間に広まる時代になると、金属工芸の技を茶道具制作に活かし始めたと伝えられます。
中川家初代/中川浄益は、茶道具制作を手掛けるようになり、「紹益~しょうえき~」と号しました。
その後の中川家では、二代目以降の当主が「浄益~じょうえき~」の名を襲名し、以後は千家に仕える金物師としての系譜を確立します。
中川家は「錺師~かざりし~」とも呼ばれ、槌で打ち出す「槌物~うちもの~」や、鋳造による「鋳物~いもの~」などの精緻な金工技術を代々受け継いできました。
江戸時代(1603-1868)以降は、三千家御用達の金物師として茶の湯の世界に欠かせない存在となり、わびの風合いと実用性を兼ね備えた茶道具を制作。代々の浄益は、時代の美意識を映しつつ、千家好みの金工茶道具を生み出しています。
現在も中川家は、長年培われた伝統の技法を守りながら、現代の感性を取り入れた茶道具を制作しています。
四百年以上にわたり、茶の湯の精神を支える金物師として、千家十職の中でも重要な役割を担い続けています。


