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2-3|秀吉と利休|02.利休の生涯|千宗易利休|抛筌斎

全10回 抛筌斎 千宗易 利休



千利休の人物イラストと掛物「利休の生涯」を組み合わせた構成で、茶の黄金時代を築いた秀吉との関係を伝える冒頭画像。


利休の生涯

― 秀吉と利休 ―






❚ 秀吉と利休

天正十年(1582)の「本能寺の変**」により織田信長*が没すると千利休*は新たに台頭した豊臣秀吉*に仕えることになります。



以後、利休は茶頭および側近として秀吉政権の中枢*に深く関与していきます。



同年、織田信長の百日忌法要**大徳寺百十七世/古渓宗陳*によって営まれた際、利休は山上宗二*博多屋宗寿*らを伴い、施主**を努めています。



この時期からすでに秀吉政権の象徴的存在としての地位を築きはじめたといえます。











聚楽第と地位

利休は豊臣秀吉の側近として聚楽第**内に屋敷を構え、築庭にも関与します。



その功績により利休は異例ともいえる三千石**禄**を賜り、名実ともに――天下一の茶人――として厚遇を受ける存在となります。


茶人が武士を超える影響力を持つという異例の立場を利休は体現していくこととなります。












❚ 禁中茶会と利休居士

天正十三年(1585年)、豊臣秀吉が関白**に就任するにあたり、禁中(皇室)**にて拝賀**の茶会が催され、利休はこの「禁中茶会**」に参仕します。



この際、百六代天皇/正親町天皇*より『利休居士』居士号***を賜ったことで、――利休――の名は公家社会にも知られることとなり、名実ともに茶の湯の頂点へとも登り詰めることとなります。



これは豊臣秀吉の天下統一とともに利休が茶の湯の世界において絶対的な地位を確立した出来事となりました。













❚ 利休の役割

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利休は、茶人としての役割を超えて、政務の裏側を支える側近的存在でもありました。



利休の重用ぶりは、豊臣秀吉の弟である豊臣秀長*を凌ぐものであり、大阪城を訪れた大友宗麟*が豊臣秀長に対して政務について尋ねた際、豊臣秀長は以下のように語ったとされます。



「公儀の話は私(秀長)に、内輪の話は利休にするように」



この逸話は利休は単なる茶匠にとどまらず、豊臣秀吉の政治・文化政策にも深く関与するとともに豊臣秀吉の内面や私的領域にも深く関わる存在であったことを象徴しています。











❚ 権力を持った利休

秀吉のもとで、利休は単なる茶人ではなく、文化政策・外交儀礼・精神的支柱の役割まで担う存在として重用されました。



その名声は武士や公家をも超える影響力を持ち、茶の湯が政治と結びつく時代の象徴的な存在となったのです。



利休が確立した茶の美学は、秀吉の天下統一の文化的側面を支え、「わび茶**」完成へと大きく近づいていきました。











❚ 次回は・・・

次回の「2-4|秀吉との対立|02.利休の生涯」では、秀吉との関係が徐々に変化していく中で、利休が政治的な立場や思想においていかに葛藤し、最終的にどのような決断を迫られたのか、その背景を詳しく探っていきます。











登場人物


  • 織田信長|

……… 。


  • 千利休|せん・りきゅう

……… 天下三宗匠|千家開祖|抛筌斎|千宗易|1522年―1591年


  • 豊臣秀吉|とよとみ・ひでよし

……… 天下人|関白|太閤|1536年―1598年


  • 古渓宗陳|

(1532–1597):大徳寺百十七世。信長の百日忌法要を導師として修した。


  • 山上宗二|

(1544–1590):利休の高弟。法要にも同行した忠実な門人。


  • 博多屋宗寿|

(1570–1659):利休に同行した博多の商人。


  • 正親町天皇(1517–1593)|

……… 。:利休に「居士号」を授与した天皇。


  • 豊臣秀長(1540–1591)|

秀吉の弟。利休を政務と内政の橋渡し役と認識していた。


  • 大友宗麟|

……… 。










用語解説


  • 本能寺の変|

……… 1582年、明智光秀により信長が討たれた事件。日本史の大転換点。


  • 茶頭|

……… 。


  • 中枢|

……… 。


  • 法要|

……… 。


  • 施主|

……… 。


  • 聚楽第|じゅらくだい

……… 秀吉が築いた京都の大邸宅・政庁。利休もその整備に関与。


  • 三千石|

……… 。


  • 禄|

……… 。


  • 関白|

……… 。


  • 禁中|

……… 。


  • 参賀|

……… 。


  • 禁中茶会

……… 。朝廷内で催された茶会。格式と政治儀礼が融合した重要な行事。


  • 居士号|

……… 。仏教で在家信者に与えられる称号。「利休居士」は名誉ある公称。


  • わび茶|

……… 。









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茶道具|中古道具市
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