1-3|釜道具|湯を沸かすための道具|茶道具一覧|茶道具辞典
- ewatanabe1952

- 2022年10月25日
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更新日:6 日前
茶道具辞典

■ 茶道具一覧 ■
釜道具
❚ 釜道具とは
茶道における釜道具は、茶の湯の儀式に欠かせない重要な要素です。
茶会を主宰することを「釜をかける」という言葉が示す通り、湯を沸かす釜やそれに付随する道具は、茶会全体の趣向や格式を現します。
❚ 釜道具一覧
釜
読み:かま 茶釜とも 釜は、茶を点てるための湯を沸かす鋳鉄製の道具です。 茶会を催す際、「釜をかける」という表現があるほど、その重要性は高いです。 釜は炉用と風炉用のものがあり、炉用の釜は風炉用に比べ大ぶりとなっています。 釜の形状や蓋、口の造りなどにより分類され、大別して「芦屋釜」「天明(天命・天猫)釜」「京釜」などがあげられます。
炉釜
読み:ろがま
風炉釜
読み:ふろかま
風炉
読み:ふろ 風炉は、五月から十月までの風炉の時季に用いられる火鉢状の道具です。 風炉は炭火を入れて釜をかけるためのもので、縁の一方が風を通すように開けられているのが特徴です。 主な種類としては、「土風炉」「唐銅風炉」「鉄風炉」などがあります。
鉄瓶
読み:てつびん 鉄瓶は、鋳鉄製で注ぎ口と弦が付いた湯を沸かす道具です。 茶会では、均一な温度管理が求められるため、伝統的に使用されてきました。
紅鉢
読み:べにばち
瓶掛
読み:びんかけ 瓶掛は、鉄瓶を掛けるための火鉢または小さい風炉を指し、盆略点前や茶箱点前の席で用いられ、鉄瓶を安全かつ美しく配置するための補助道具です。
電熱釜
読み:でんねつがま 電熱釜は、現在制作中の新型釜です。 電気で湯を沸かすため、現代の施設や火気制限のある場所での茶会に対応することを目指しています。
鐶|釜鐶
読み:かん|かまかん 鐶は、釜の鐶付部分に通す鉄の輪で、釜の上げ下ろしや移動の際に用います。釜を安全かつ円滑に取り扱うための補助道具です。
釜敷
読み:かましき 釜敷は、火から釜を下ろす際に釜の下に敷いて、釜や床を保護するための道具です。 「釜置」や「釜据え」とも呼ばれ、釜の安定を図る重要なアイテムです。
炉
読み:ろ 広義でいう炉とは火を燃やし加熱や溶解、焼却などをする設備や香などを焚く器のことで暖炉や焼却炉、また古民家などにみられる「囲炉裏」もその一つです。 茶道においては茶室内の一部の床を「一尺四寸(約42.5cm)」四方、深さ「一尺五寸(約45cm)」で切り出し、その中に炉壇を落とし入れ灰、五徳を入れ、炭を焚いて使用します。 その昔、わび茶を提唱した茶祖/村田珠光(1423-1502)が初めて四畳半に「炉」を切り、その後、武野紹鷗(1502-1555)、千家開祖/抛筌斎千宗易利休(1522-1591)が炉の点前を定め、それまで炉の大きさが不確定であったが大きさも「一尺四寸(約42.5cm)」に定めたという。 また床下に「炉」のスペースが無く「炉」がきれない場合は、「置炉」を用います。
置炉
読み:おきろ 置炉は、持ち運びが可能な炉で、固定された炉が使えない部屋などで、炉の代用として使用されます。移動式であるため、柔軟な茶会運営に貢献します。
炉 壇
読み:ろだん 炉壇とは茶室内に切られた炉の中に落とし入れ用いる「炭櫃」のことです。 炉壇には灰や五徳を入れ、その上に釜を据えて使用します。 もともとは木製の箱の壁面を土で塗った塗炉の「炭櫃」が用いられていたが鉄製、陶器また火に強い銅製のものも今日では広く使われています。
炉 縁
読み:ろぶち 炉縁とは、炉壇の上にかける「木の枠」のことで、寸法は「一尺四寸(42.4cm)」角、深さ(高さ)「二寸二分(6.7cm)」と定められており、素材は大きく分けて木地と塗の二つに大別されます。 木地は一般的に小間席に用いられ、「桐」「杉」「松」「梅」「桑」「桜」「柿」さらには「鉄刀木」「花梨」などの唐木から社寺などの古材まで今日ではさまざまな木材が用いられています。昔は使用後に水で炉縁を洗っていたため水に強い「沢栗」が用いられていたという。 塗は一般的に広間席に用いられ、「真塗」「溜塗」「掻合塗」「春慶塗」「青漆」などさまざまな技法が用いられていますが正式には「桧材真塗」とされています。また鮮やかな蒔絵技法が施されたものがあり、茶席の「趣向」に応じて使い分けられています。
炉縁
炉縁は、炉の縁に嵌め込む木製の枠です。広間での使用が原則とされ、炉の火気が畳に伝わらないようにするほか、炉周りの装飾としての役割も果たします。塗物で仕上げたものなど、さまざまなタイプがあります。
大 炉
読み:だいろ 大炉とは極寒の二月に限り用いられる炉の一つで通常の炉より一回り大きく切られています。 大炉の寸法については千家三代/咄々斎元伯宗旦(1578-1658)が陰陽五行説に則った「曲尺割法」を用いて四方「一尺八寸(68.2cm)」と定めたとされています。 六畳間の茶室に「逆勝手」に配置され、四方「一尺八寸(68.2cm)」に切るのが約束となっており、大炉は向かって右手前寄りに「五徳」を置き「雪輪瓦」を立てて灰仕切りを施します。 炉壇は聚楽土に墨を混ぜた鼠土で灰色に仕上げ、「炉縁」は「北山杉木地丸太」を用います。


