1-13|懐中道具|茶人が携行する道具|茶道具一覧|茶道具辞典
- ewatanabe1952

- 2022年10月15日
- 読了時間: 5分
茶道具辞典

■ 茶道具一覧 ■
懐中道具
❚ 懐中道具とは
懐中道具とは、初心者、熟練者、先生、宗匠などの区別はなく、茶人として必ず懐中(携帯)する必要のある道具の総称。
それぞれの懐中道具には役割があり、正しい使い方を学ぶことで茶道の美しい所作が身につき、茶席での作法を円滑にすることができます。
❚ 懐中道具一覧
帛紗 (点前帛紗)
帛紗は、茶道の点前において茶器を清めるために使用される絹製の布であり、茶道具の取り扱いに欠かせない重要な道具の一つです。 茶碗や茶杓、棗などを拭うために用いられ、その扱い方には決まりがあります。 また流派や性別によって色が異なり、表千家では男性は紫、女性は朱、裏千家では男性は紫、女性は赤が一般的です。 帛紗のさばき方や使い方には所作の美しさが求められ、茶道精神や礼作儀法を体現する道具として大切にされています。
懐紙
懐紙は、茶道において和菓子をのせたり、口元や指を拭う際に用いる薄い和紙で茶席では必須の持ち物です。 正式には茶席内での調和を図るために白無地のものを使用しますが、懐紙には季節の模様が入ったものもあり、お稽古ではおしゃれや季節感を楽しむことも可能です。
扇子
茶人にとってはどの場面においても必ず携帯しておく持ち物となります。 茶道用の扇子は一般的なものより小ぶりで長さが短いのが特徴です。 茶席では実際に扇ぐのではなく、挨拶や道具の拝見の際に使用します。 流派や性別によってサイズが異なるため、入門前に必ず先生に確認する必要があります。
楊枝
主菓子をいただく際に用いる楊枝です。 黒文字という香りのよい木で作られる楊枝は正式には使い捨てとされています。 そのためお稽古やお茶会で繰り返し使えるように、ステンレスなどの金属製の楊枝を一つ持っていることをおすすめします。
帛紗挟み/懐紙入
携行する帛紗や懐紙、扇子、楊枝などの小物をまとめて収納するための茶人用の袋(バック)です。 男性用は大ぶりで落ち着いた色合いで、女性用は小ぶりで華やかな柄が選ばれることが一般的です。 持ち物を一式整理して持ち運べるため、お稽古や茶会での必需品とされています。
出帛紗・古帛紗
亭主が濃茶点前の際に使用する布で、道具の扱いや拝見の際に用いられます。 帛紗(点前帛紗)とは異なり、茶器や茶杓を清める目的ではなく、茶入や棗などの拝見の際に下に敷いたり、持ち運ぶ際に手の上に敷いたりするものです。 出帛紗(だしぶくさ)は点前帛紗と同じ寸法で表千家にて用います。一方、古帛紗(こぶくさ)は出帛紗の四つ折りほどの寸法で裏千家にて用います。 客人としての携行品ではありませんがさまざまな柄があり、楽しめる道具ですので一枚持っておくのをお勧めします。
数寄屋袋
数寄屋袋は、携行する道具をまとめて収納し持ち運びするための袋(バック)です。 前述の帛紗挟みよりも一回り大きなサイズで、帛紗挟やそれ以外の自身の携行品(ハンカチ、ティッシュ、お化粧直しなど)を収納します。 お稽古や茶会の際に使用されるため、実用性が高く、さまざまな生地や柄があり、自身の服装などと合わす楽しさもあり、お稽古がすすみ、茶人として外出する機会が増えれば一つ購入するのがおすすめです。
足袋
茶道は畳の上で行うのが基本であり、茶席では畳や建築物を汚さないよう細心の注意を払うことが大切です。 そのため、畳の上に上がる際は清潔な足袋に履き替えるのが礼とされています。 正式な茶席では白足袋を履くのが基本ですが、お稽古などのシーンでは白い靴下でも差し支えありません。
風呂敷
茶道において風呂敷はさまざまな場面で使えるため非常に重宝されています。 道具を包んだり、自身の持物をまとめる際に用います。 包まれたものを保護するのは当然ながら足袋と同じように畳を傷つけないためにも礼儀として必要となります。 素材や柄にもさまざまな種類があり、用途や場面に応じて使い分けることが求められます。お稽古がすすみ、茶人として外出する機会が増えれば必ず一枚は持っておくことを推奨します。
小茶巾
裏千家において濃茶を喫した後に飲み口を清めるために用います。 茶碗を傷つけない為に素材は目が細かい麻となります。少し湿らせ小茶巾入にいれて懐中しておきます。
紙小茶巾
裏千家において濃茶を喫した後に飲み口を清めるために用います。不織布製でやわらかく吸水性に優れています。 少し湿らせ小茶巾入にいれて懐中しておきます。
湿し小茶巾
裏千家において濃茶を喫した後に飲み口を清めるために用います。 あらかじめ湿してある小茶巾で小茶巾入にいれて懐中しておきます。
小茶巾入
湿らせた小茶巾を懐中するために収納するバック。
袋懐紙
袋状になった防水収納袋です。 御茶席において食べきれなかった御菓子や懐石の残りを持ち帰る際に用います。
残菜入・残肴入
御茶席において食べきれなかった御菓子や懐石の残りを持ち帰る際に用います。 形状や食品によっては漏れる可能性もあるので袋懐紙に入てから収納するのがおすすめです。
鼻緒留
鼻緒留とは、草履の鼻緒を留めておく和装小物です。大寄茶会など大勢が集まる場所(下足)で、自分の草履を迷わないようにする目印として使用します。


