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1-8|茶会|茶会とは|茶会の基礎知識と心得|茶道の基礎知識

更新日:2025年12月18日

茶道入門ガイド





■ 茶道の基礎知識 ■

茶会






❚ 目次











❚ 01.茶会 ―茶会とは― 

茶会とは、本来「茶を中心とした集い」を意味する広い概念です。

茶道における実践の場として、亭主が客人をもてなし、一服のお茶を通じて季節感や趣向、精神性を共有する文化的な会を指すことが多いです。



今日では茶室で開かれる正式な茶会だけでなく、屋外で開かれる野点や地域イベントなど、開催場所や形式はさまざまで開催の目的によって多種多様な茶会のスタイルが存在しています。

茶会は、正式な茶事から略式の大寄せ茶会まで、さまざまな形でおこなわれています。


戦国期には政治の舞台として、近代以降は文化と交流の場として機能してきました。


今日では、自治体主催のコミュニティ茶会、流派による献茶式、展覧会に併設される呈茶席、稽古の成果を披露する茶会など多彩な場面で行われています。






その根底にあるのは、千利休以来変わらぬ茶道の精神「和敬清寂」。


茶会は、茶を介して人の心を結ぶ、日本文化を象徴する重要な時間といえるでしょう。











❚ 02.茶会 ―茶会と茶事の違い― 

広義では茶事を含む「茶を媒介とした集い」全般を指すが、今日一般的にいう茶会は薄茶を中心に、亭主が客人をもてなす会を指します。



今日の茶会では、茶事における炭点前(初炭|後炭)、茶事懐石、濃茶を省き、薄茶と菓子(主菓子・干菓子)のみで行う略式の形式が一般的となります。

同じ「お茶の席」であっても、茶会と茶事では目的や内容、所要時間、参加人数などが大きく異なります。



ここでは、初めての方にも分かりやすいように、両者の主な違いをまとめてご紹介します。



■ 概要 ■


茶事

茶会

席数 (1日)

1席

大寄せ茶会:2~5席

客人

1人~5人

1席:10人~50人

時間

約4時間

1席:30分程度

※大寄せ茶会はその茶会の規模により、一度に複数の茶席が設けられ、1日でさまざまな茶席を回ることができます。また亭主は1日で複数回に渡り釜を掛けることとなります。






■ 構成要素 ■


茶事

茶会

前礼 (前日)


受付


待合・席入り

炭点前 (初炭)


茶事懐石


点心


主菓子

中立


濃茶

炭点前 (後炭)


干菓子

薄茶

退席

後礼 (後日)


※点心 ……… 茶事懐石を簡略化したもの=お弁当など

※濃茶 ……… 大寄席の茶会などでは薄茶のみの場合があります











❚ 03.茶会 ―茶会の歴史―

茶会の原型は室町時代(1336-1573)にさかのぼります。

当時、武家や公家は「会所」に集まり、唐物の茶器を鑑賞しながら茶を楽しむ「茶寄合」と呼ばれる催しを行っており、これが茶会の起源とされています。



その後、村田珠光(1423-1502)、武野紹鴎(1502-1555)らによって精神性を重視する茶の湯が生まれ、後に千家開祖/千宗易利休(1522-1591)によって「わび茶」が大成さ、茶会の形式や精神性がさらに洗練されました。



戦国時代には、茶会は単なる嗜好の場にとどまらず、政治的な意味合いも強くなります。

大名や武将たちは茶室を密談や会議の場として活用し、茶器の献上や茶会への招待を通じて、権力関係や政治的地位を示す手段としました。



その代表例が、豊臣秀吉(1537-1598)による天正十五年(1587年)の「北野大茶湯」です。

身分を問わず多くの人々が参加したこの大規模な茶会は、茶の湯が武家社会を超えて広く文化として普及していく契機となりました。



江戸時代(1603-1868)以降、茶会は町人や庶民の間にも広がり、格式ある茶事から略式の茶会まで、多様な形式が確立しました。

明治時代(1868-1912)以降は流派ごとの特色が強まり、現代では流派を問わず、体験型の茶会や地域イベントとして親しまれています。











❚ 04.茶会 ―さまざま茶会―

現代の茶会には、初心者でも参加しやすいものから、伝統的な作法に基づく格式高いものまで、さまざまな形式があります。

時代とともに茶会の形は多様化し、今日では「大寄せ茶会」や「呈茶席」のように、多くの人が気軽に参加できる茶会が広く親しまれています。

また、一般の茶会とは異なり各流派の御家元による「献茶式」のような、特別な奉納茶会も存在します。



ここでは、代表的な茶会の形式をご紹介します。



大寄せ茶会

読み:おおよせちゃかい 大寄せ茶会とは、一度に多くの客人が参加できる茶会のことで、初心者でも参加しやすい現在主流の茶会形式です。 複数の茶席を巡りながら、さまざまな趣向や流派の茶を楽しむことがで、茶道の雰囲気を気軽に味わえる点が魅力です。 ・多数の茶席が設けられる大規模な茶会 ・主催は自治体、茶道団体、寺社、文化施設など多岐にわたる ・同一流派だけでなく、異なる流派が釜を掛ける席もある ・基本は薄茶席だが、趣向により濃茶席が設けられる場合もある ・茶事懐石を簡略化した点心(弁当)が提供されることもある

​呈茶席

読み:ていちゃせき 呈茶席は、場所や正式な作法にとらわれず、多くの人に気軽に抹茶を楽しんでもらうことを目的とした、よりカジュアルな茶会形式です。 茶道の入口としてとても参加しやすく、幅広い人に親しまれています。 ・主に展示会・デパート、寺社、観光地、公共施設などで開催 ・立礼棚を使った「立礼式」が中心(椅子、テーブル使用) ・正座不要で、茶道未経験者でも参加しやすい ・通りがかりの人でも気軽に抹茶を味わえる ・日本文化の体験イベントとして広く定着

​献茶式

読み:けんちゃしき 献茶式とは、神仏や祖先に茶を供え、祈りや感謝の心を捧げる目的で行われる厳粛な茶会で一般の茶会とは異なり、主客の交流ではなく「奉納」が中心となります。 神社・仏閣・文化行事などで執り行われ、各流派の御家元や著名な茶人が奉仕することが多い。 献茶式は儀式的な要素が強く、参列者は拝観、見学が中心となります。 また今日では献茶式に付随する形で大寄せ茶会と同じように複数の茶席が設けられることが主流となっています。


今日の茶会は、多様なスタイルが共存し、多くの人が気軽に茶道に触れられる場が広がっています。

茶道の伝統を守りつつ、新しい形でおもてなしの心を伝えるこれらの茶会は、日本文化を広める重要な役割を果たしています。



格式ある茶会からカジュアルなものまで、それぞれの目的や場面に応じて楽しむことで、茶道の魅力をより深く感じることができるでしょう。

しかし、誰もが参加しやすい茶会が増えたからこそ、主催者や亭主の趣向を理解し、感謝の気持ちを持って参加することが大切です。最低限の知識やマナーを心得ておくことで、より心地よく茶の湯の世界を味わうことができます。



一服の茶に込められた心を感じながら、茶会の時間をぜひお楽しみください。

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❚ 05.茶会 ―茶会の流れ―

はじめて茶会に参加する際、どのように進行するのか分からず不安に感じる方も多いかもしれません。茶会の形式によって細かい流れは異なりますが、基本的な進行は共通しており、大きく分けると以下のような流れになります。



ここでは、一般的な「大寄せ茶会」でのおおまかな流れの一例をご紹介

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■ 大寄せ茶会の流れ ■


受付→待合→席入→主菓子や干菓子→薄茶(or濃茶)→拝見→退席

(次の茶席へ向かう)



以下では、「大寄せ茶会」の基本的な流れを、はじめての方にも分かりやすいよう、各段階の意味と所作を交えて紹介します。

あくまでも一例であり、その所作や意味については確定するものではありません。


一、受付

受付で名前を記帳し、必要に応じて芳名帳へ丁寧に書き入れます。 荷物は茶席へ持ち込めませんので、足袋( 靴下) を新しいものに履きかえ、時計・アクセサリーを外して身支度を整えましょう。 多くの茶会では荷物預かり所が設けられているのでバッグや上着など、茶席で不要なものは風呂敷でまとめて預けると安心です。 受付で席入りの番号札が配られる場合もあるため、失くさないよう大切に持ちましょう。 茶席に入れる人数には限りがあるため、時間厳守で行動します。

​二、待合

席入りの人数に合わせ、順番が来るまで待合で待機します。 待合では座る位置に決まりはありませんので、落ち着いて過ごしてください。待合の床には掛物が掛けられていることが多いため、この時間に掛物を拝見します。 また、その日の道具立てをまとめた茶会記や、道具の箱書きが置かれている場合もあり、あわせて目を通すとこれからはじまる一席がより楽しめます。

​三、席入り

順番になると案内に従って席入りします。 入り口では扇子を膝前に置き、一礼してから入室します。 初心者の方は、経験者に先に入ってもらうと動きが分かりやすく安心です。 席に入ったらまず床前へ進み、掛物・花・花入・香合を拝見し、その後、点前座の道具を拝見してから席につきます。 参加人数が多い場合は、数名ずつ床を拝見することもあります。 席に着いたら、扇子を後ろに置き、帛紗ばさみは脇か後ろに置きます。 全員が着席すると、お菓子が運ばれますので懐紙を取り出し自分の分を取ったら、次の方に回し、静かにいただきましょう。

■ 注意事項 ■

座る位置については、正客(1番目)、次客(2番目)、末客(最後)は茶道の熟練者が座る場所となりますので初心者の方は中ほどを選びます。番号順にその席があてがわれた際は必ず初心者であることを告げ熟練者と変わることが重要です。


​四、点前

亭主が入室し正客と挨拶をかわすと点前が始まります。 大寄席茶会では一度の席入りの人数が多いため、正客、次客以外は水屋からの点て出しになることが一般的です。 茶が運ばれてきたら隣の客人(次の客人)に「お先に」と軽く会釈し一服をいただきます。 飲み終えたら、飲み口を軽くふき、茶碗を拝見します。 給仕が茶碗を回収しに来た際は「結構なお点前です」「おいしかったです」などの御礼を述べ茶碗を返しましょう。

​五、道具拝見

すべての来席者に茶が供され終わると正客が代表してこの茶会に用いた茶碗や茶杓、棗などの道具を拝見し、亭主と問答をします。 大寄せ茶会では来席者が多いため、亭主と正客の話が終わると、点前座に道具が飾り置かれるので退席前に拝見します。 高価な道具が用いられることも多いため、初心者の方は道具に触れることは避けましょう。

​六、退席

亭主の退室時に客人全員で一礼をし、会が締めくくられます。 連客(左右の客人)に同席した感謝を込め軽くあいさつを交わし、道具を拝見してから静かに退席しましょう。

​次席へ向かう

複数の茶席が設けられている場合は、案内に従って次の席へ向かいます。 すべての席を回り終え、荷物を受け取ったら大寄せ茶会の終了です。


■ 茶会記 ■

茶会記とは、茶会や茶事の内容を詳細に記録した文書のことです。

日時・場所・席主(亭主)・参加者名をはじめ、床の間のしつらえ(掛物・花入・香合など)、使用された茶道具(茶碗・水指・釜・棗・茶杓など)、さらに懐石の献立や菓子にいたるまで、茶会の構成要素が細かく書き留められています。

これらは「会記」とも呼ばれ、茶会の「自会記(亭主が記録)」と「他会記(客が記録)」の二種類が存在します。

これらは単なるメモ書きではなく、当日の趣向や道具組、季節感、亭主の意図が表れた、茶道文化を理解するための重要な資料です。

そのため、茶会記は茶道史・美術工芸史の研究においても非常に価値が高く、歴史的な茶会の様子を今に伝える貴重な記録として大切に扱われています。











❚ 06.茶会 ―はじめての茶会―

今日の多くの茶会は特別な資格・条件は必要はなく、初心者の方も気軽に参加できます

はじめて茶会に招かれた場合、どのような流れで進むのか、どのような所作や心構えが求められるのかを知っておくと、安心して参加することができます。



はじめての茶会に招かれた際の基本知識については、下記の専用ページで詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。



はじめての茶会についてもっと詳しく学ぶにはコチラ













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