1-3|利休の師|01.利休の出自|千宗易利休|抛筌斎
- ewatanabe1952

- 2023年6月23日
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全10回 抛筌斎 千宗易 利休

利休の出自
― 利休の師 ―
❚ 多様な師との出会いが育んだ茶の道
千利休*が生涯にわたり学びを受けた師は、――茶の湯――と――参禅**――の両面にわたります。
利休は一人の師に限定されることなく、茶道・禅・芸術的教養において複数の人物から影響を受けており、それぞれが利休の思想と美意識の形成に深く寄与しました。
❚ 茶の湯大成へ道

茶道:北向道陳|1504年―1562年
……… 利休の最初の茶の湯の師とされ、教養人として堺町衆の文化的中心にいた人物。
教養・文芸・作法など、茶道を広く町人文化として定着させる基盤を示しました。
茶道:武野紹鷗|1502年―1555年
……… 堺の町人でありながら、村田珠光*の流れをくむ茶の湯を継承し、「わび**」の精神を深めた人物。
利休にとって最も大きな茶の湯の師とされています。
❚ 茶の湯のこころ

参禅:大徳寺**九十世|大林宗套|1480年―1568年
……… 利休の初期の参禅の師。
仏教的な死生観と「無常」の教えを通して、静寂の中に真理を求める心を利休に示しました。
参禅:大徳寺百七世|笑嶺宗訢|1490年―1568年
……… 大林宗套に続き、利休が深く参じた禅僧**。
禅の理を日常に見出す心法は、利休の――日常を茶に昇華する――思想に強く影響を与えたとされます。
参禅:大徳寺百十七世|古渓宗陳|1532年―1597年
……… 利休の晩年に参じた師であり、利休に最も影響を与えた禅僧の一人。
❚ 利休の茶風を形づくったもの
利休の茶の湯は、師匠たちとの関わりの中で構築された学びの総体といえます。
武野紹鷗に学んだ――わび――
北向道陳から得た――町人文化の教養――
大徳寺の禅僧から授かった――無常と静寂――
これらの教えが利休の思想の礎をなしました。
単なる作法ではなく、精神の在り方としての茶の湯は、こうした多様な師の存在によって鍛えられたのです。
❚ 次回は……
次回は「1-4. 利休の門下|01.利休の出自」と題し、千利休の教えを受け継いだ門弟たちに焦点を当て、彼らがどのように利休の茶の湯を継承し、後世へと広めていったのかを紹介していきます。
登場人物
千利休|せん・りきゅう
……… 天下三宗匠|千家開祖|抛筌斎|千宗易|1522年―1591年
村田珠光
………
用語解説
参禅
………
わび
………
大徳寺
………
禅僧
………

