0-4|茶道の服装|茶人の装いとは|はじめての茶道|茶道入門ガイド
- ewatanabe1952

- 8月25日
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更新日:2 日前
茶道入門ガイド

■ はじめての茶道 ■
茶道の服装
❚ 目次
01.茶道の服装 ―心構え―
02.茶道の服装 ―服装―
03.茶道の服装 ―身だしなみ―
❚ 01.茶道の服装 ―心構え―
茶道における服装は、単なる身だしなみではなく、茶室の空間を尊重し、茶道具を大切に扱い、亭主や相客との調和を生み出すための重要な要素 です。
お稽古・茶会・茶事、さらには学校茶道やカジュアルな茶会にいたるまで、茶の湯の世界に共通する服装の基本姿勢は変わりません。
茶室の静けさや道具の美しさを損なわず、和やかな時間を共有するために、以下の心構えを意識して装いを整えます。
■ 心構え ■
一、清潔さ
……… 服装・髪・身だしなみを整え、清潔であることを心がける。
二、茶室を傷つけない
……… 畳をはじめ茶室を傷める可能性のある硬い素材、金具、装飾を避ける。
三、道具を傷つけない
……… 茶碗をはじめとする手にするすべての道具を傷つけないように装飾品は外す。
四、点前や所作を妨げない
……… 正座や立ち座り、歩行、拝見などの所作に支障のない服装を選ぶ。
五、亭主・相客との調和
……… 派手すぎる色柄や自己主張の強い服装を避け、香りの強い香水などは避ける。
茶道における服装は、自己表現ではなく相手と空間への敬意を表すものです。
この心構えを大切にすることで、茶の湯の時間がより穏やかで豊かなものになります。
❚ 02.茶道の服装 ―服装―
今日ではお稽古や茶会などカジュアルな服装で参加できる茶の湯もたくさんありますが茶道ではその一会一会が大切で貴重な体験となるのでできるだけ着物などのフォーマルな正装で臨むことを推奨します。
以下に、茶道におけるふさわしい服装の要点を紹介します。
■ 和装 ■
和装は茶道に最もふさわしい装いとされ、落ち着いた色柄で品格のあるものを選ぶことが基本です。
訪問着、色無地、江戸小紋など、格調があり落ち着いた着物が適しています。
帯は控えめで上品な色合いのものを選び、過度な装飾は避けましょう。
茶会やお茶事は長時間に及ぶことが多いため、動きやすく座りやすい着付けを心がけることが大切です。
■ 洋装 ■
洋装で参加する場合も、茶室の雰囲気に調和するフォーマルで清楚な装いが基本となります。
シンプルで品のあるワンピースやスーツを選ぶ。
女性は膝下丈のスカートや落ち着いた色のブラウスなど、動作を妨げない装いが望ましい。
男性はジャケット・襟付きシャツ・スラックスの組み合わせが一般的です。
派手な色柄や光沢のある素材、華美な装飾は茶室の空間にそぐわないため控えます。
■ 靴|履物 ■
茶玄関や寄付で履物を脱ぐ場面が多いため、靴は茶席の第一印象を左右する大切な要素です。
清潔で落ち着いたデザインの靴を選ぶ。
ヒールは音が響きやすいため、低めで安定したものが望ましい。
履物を脱ぎ履きする際に時間がかかるものは避け、スムーズに扱える靴が望ましい。
■ バッグ ■
茶席には懐中品以外の荷物は一切の持ち込みができません。
清潔で落ち着いたデザインの小さい鞄を選ぶ。
金具や飾りが多いバッグは、柱・壁・畳を傷つける恐れがあるため避ける。
荷物の預かり所がある茶会ではバックや上着などすべてを風呂敷でまとめ預けます。
■ 避けるべき服装 ■
茶室や道具を守り、所作を美しく行うために、以下の服装は不向きとされています。
ジーンズやダメージ加工の服 (畳を傷つける)
ミニスカート、タイトなズボン (正座の妨げ)
毛羽立ち・抜け毛の多い素材は避ける(茶室を汚す)
カジュアルすぎる服装や動きにくい服装
派手な色や柄、光沢の強い生地の服装
茶道の服装は、自己表現ではなく、茶室・道具・亭主・相客への敬意を形にしたもの です。
適切な服装を知り、落ち着いた上品な装いを心がけることで、茶の湯の時間がより穏やかで深いものになります。
❚ 03.茶道の服装 ―身だしなみ―
茶道では、お稽古・茶会・講習会など、さまざまな場面で参加者同士が同じ空間を共有します。
そのため、服装と同様に 身だしなみ も、茶室・道具・亭主・相客に対する敬意を表す大切な要素となります。
過度に形式張る必要はありませんが、茶道の身だしなみは、亭主の心づかいや道具の美しさに寄り添い、茶室の静寂や調和を守るための大切な心得でもあります。
以下に、茶道にふさわしい身だしなみの要点を紹介します。
■ 髪型 ■
茶道では、美しい所作が求められるため、髪型もその動きを邪魔しないよう整えます。
髪がふいに茶碗に触れたり、客の前に垂れることは不作法とされます。
長い髪は束ね、顔にかからないようにまとめる
清潔感のある、落ち着いた髪型を心がける
大きい髪飾りや金具の多いヘアアクセサリーは避ける
■ 足元 ■
茶室では履物を脱ぐことが一般的なため、足元の身だしなみはとても重要です。
足元は想像以上に目に入りやすいため、清潔感を意識した準備が大切です。
白足袋、または清潔で無地の靴下を着用する
裸足はマナー違反とされるため避ける
靴下の柄や派手な色は控え、落ち着いた色を選ぶ
■ 香物 ■
茶道は「香り」を大切にする文化です。炭の香り、茶の香り、懐石の香りなど、自然な匂いを楽しむため、強い香りを身につけることは避けます。
茶席は狭い空間のため、香りの配慮は特に重要です。
香水・コロン・フレグランス系の整髪料は使用しない
洗剤や柔軟剤の強い残り香もできるだけ控える
制汗剤は無香料のものが望ましい
■ 携帯電話 ■
現代ならではの注意点として、携帯電話の扱いも身だしなみの一部です。
静けさの中で行われる茶席では、電子機器の存在は大きな違和感となります。
電源は必ずオフ、または機内モードに設定する
ポケットや袂にスマートフォンを入れたまま入席しない
音・振動が鳴らないよう十分に確認する
■ 装飾品 ■
茶室には繊細な茶碗・漆器・掛物など、貴重な道具が多く扱われます。
安全と静けさを守るためにも、入室の際は装飾品はすべて外すことが基本となります。
時計・指輪・ネックレス・ピアスなどの装飾品はすべて外す
金属類が茶碗や棚に触れると傷の原因になる
チャラつき音を立てるアクセサリーは特に不向き
■ その他 ■
派手なメイク、ラメ・パールなど落ちやすい化粧は避ける
長い爪やネイルアートは、茶碗を傷つける恐れがある
衣類の埃・毛羽立ち・ペットの毛などを事前に確認し、除去する
ハンカチや懐紙などは清潔で落ち着いたものを持つ
■ 避けるべき身だしなみ ■
お茶事や茶席の雰囲気を損なわず、茶室や道具に負担をかけないために、以下の身だしなみは避けるようにします。
裸足
強い香水・コロン・整髪料の香り
長い爪・派手なネイル
金具・アクセサリー類の着用(時計・指輪・ネックレス・ピアスなど)
香りの強い柔軟剤や衣類の残り香
髪が顔にかかるスタイル
大きい髪飾り・光沢の強い髪留め
ポケットにスマートフォンや貴重品を入れたまま入席すること
派手なメイク・ラメやパールが落ちやすい化粧
茶道の身だしなみは、自己表現ではなく、茶室・道具・亭主・相客への敬意を形にしたものです。
適切な身だしなみを知り、落ち着いた上品な装いを心がけることで、茶の湯の時間がより穏やかで深いものになります。
茶道の服装や身だしなみは、初心者の方でも知っておくと安心です。茶会・お稽古・学校茶道など、さまざまな場面に応じた茶道の服装を理解することで、より深く茶の湯を楽しむことができます。


