top of page

6-1|利休七則とは?|06.利休七則|千宗易利休|抛筌斎

更新日:9月16日

全10回 抛筌斎 千宗易 利休



千利休の人物イラストと掛物「利休七則とは?」を組み合わせた構成で、七則の意義と実践を導入する冒頭画像。


利休七則

― 利休七則とは? ―






❚ 最も難しいことは

ree

本章では、千利休*が茶道における心得として示した七つの教えについて紐解いていきます。



利休は、――最も簡単なことこそ、最も難しい――と説き、日常の中にこそ茶の湯の精神が息づいていることを伝えました。



「利休七則」は、茶道に限らず、日々の暮らしにも通じる大切な心得とされています。


それでは、「利休七則」について詳しくご紹介します。











❚ 利休七則とは?

ree

「利休七則」とは茶の湯の大成者である利休が遺したとされる、茶道の心得を七つの言葉にまとめた教えであり、「利休四規七則**」のうちの「七則」に該当します。













❚ 利休と高弟の逸話

「​利休七則」の解説の前に、利休が茶の湯の心得について説いた逸話をご紹介します。


ある時、高弟の一人が利休に――茶の湯で心得ておくべきものは何でしょうか?――と尋ねたところ利休は次のように答えました。



「茶ハイカニモ涼シキヤ(ヨ)ウニ、冬ハイカニモアタタカニ、​炭ハ湯ノワクヤ(ヨ)ウニ、茶ハ服ノヨキヤ(ヨ)ウニ、コレニテ秘事ハスミ候」 ​訳)……… 「茶は、夏はできるだけ涼しげに、冬はできるだけ暖かく点てなさい。炭は湯が適温で湧くようにくべ、茶は客が心地よく飲めるように点てること。これだけ守れば、茶道の奥義はすべて尽くされています。」



この答えを聞いた高弟は驚き――そのような事は誰もが知っている事ではありませんか?――と告げると利休は静かにこう答えました。




「では、あなたが私の言ったことにかなう茶ができたなら、本日より、私はあなたの弟子になりましょう」



​​後日、この話を聞いた利休の参禅の師である大徳寺百十七世/古渓宗陳**は利休の答えに賛同しこう説きました。



「誰にでもわかっていることですが、いざ実行するすることは大変難しいことです。」



この逸話が物語るように、――最も簡単であることが、最も難しいことである――という利休の教えは、茶道に限らず日常生活にも通じる深い心得となっています。



「利休七則」は、人を思いやる心、場への配慮、そして誠実な在り方を実践するための具体的な指針であり、今日においても多くの茶人に受け継がれる茶道の精神的支柱となっています。











❚ 茶の湯はむずかしい

ree

「利休七則」は、茶道における究極の心得でありながら、実行には深い思索と実践が必要とされる教えです。



一見すると誰にでも分かるような内容でありながら、実際に徹底するには高度な精神性と修練が求められます。



――最も簡単なことこそ、最も難しい――この言葉にこそ、利休の茶の湯の精神が凝縮されているのです。













❚ 次回は・・・

次回の「6-2|利休七則|06.利休七則」では、「利休七則」の一つ一つに焦点をあて、茶席における具体的な実践や心構えを通して、その教えが現代にどう生きているかをご紹介します。











登場人物


  • 千利休|せん・りきゅう

……… 天下三宗匠|千家開祖|抛筌斎|千宗易|1522年―1591年


  • 古渓宗陳|こけいそうちん

……… 大徳寺第117世住持











用語解説


  • 利休四規七則|りきゅうしきしちそく

……… 。












商品カテゴリー
茶道具|中古道具市
bottom of page