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5-2|和敬清寂|05.利休四規|千宗易利休|抛筌斎

更新日:9月16日

全10回 抛筌斎 千宗易 利休



千利休の人物イラストと掛物「和敬清寂」を組み合わせた構成で、四つの精神の実践と美意識を導入する冒頭画像。


利休四規

― 和 敬 清 寂 ―






❚ 利休四規


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わ けい せい じゃく

和 敬 清 寂



和敬清寂の四つの語は、茶道の精神的な理念を端的に表したものであり、それぞれの意味を紐解くことで、千利休*が大成した茶の湯の本質に近づくことができます。



以下に、利休四規を構成する各語の解釈についてご紹介します。








❚ 「和」

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茶道において、亭主と客が一碗を介して心を通わせる「一座建立**」は、最も大切な理念の一つです。



「和」とは「やわらぐ」「なごむ」といった意味を持ち、以下のような要素が一体となることで、真の調和が生まれるとされています。



亭主の「和」 道具の「和」 客人の「和」 相客との「和」


亭主の都合ではなく、客人にとって最も飲みやすい一服を考え点てること



――それが「和」の精神です。



抹茶の量や湯の加減を工夫し、一碗に心を込めることで、自然と茶席に調和が生まれます。



形式にとらわれず、亭主のもてなしの心が客人に伝わり、その心遣いが空間全体を和ませる



――そこに「和」の真髄があります。











❚ 「敬」

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「敬」とは、相手を敬い、自らを慎む心を指します。



茶道における「敬」は、単なる礼儀を超え、次のような広がりを持っています。



相手への「敬」 道具への「敬」 自然への「敬」



例えば、茶を点てるには、適切な湯加減が欠かせません。



そのためには、炭をただ決められた通りに置くのではなく、――どのように置けば湯が適切に湧くのか?―― を理解し、工夫することが大切です。



こうした心遣いは、決して形式的なものではなく、相手を思い、環境を整え、最善を尽くす。



――その姿勢こそが、「敬」の精神なのです。


​​









❚ 「清」

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「清」とは、外見の清らかさだけでなく、心の清らかさを意味します。



自身の「清」らかさ 道具の「清」潔さ 心の「清」め



単に道具を清め、見た目を整えることではなく、――相手への思いやり(和)、敬う心(敬)――をもって、自らの心を清めることが大切です。



また、季節の移ろいに目を向け、自然から受ける恵みに感謝することも「清」の心だとされています。



この心を持つことで、茶の湯はただの作法ではなく、精神の修練の場となるのです。



​​








❚ 「寂」

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「寂」とは、なにごとにも乱されることのない不動の心。



自然と調和すること 時間の流れを受け入れること 相手と心を通わせること



「寂」とは、単に――静けさ――を表すものではなく、外の世界に惑わされることなく、常にどんな状況でも穏やかに、変わらぬ心を持ち続ける姿勢を指します。



茶の湯の場においても、日常の中でも、「和・敬・清」の精神を失わずに保ち続けることで、やがて「寂」の境地に至る。



――それは、日々の修練と実践の積み重ねによって体得されるものです。


​​








❚ 茶の湯とは

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「和」「敬」「清」「寂」――これらの四つの心は、茶道の作法の中に息づく、「生きる姿勢」そのものです。



また「利休四規」は単なる茶の作法ではなく、人生そのものに通じる哲学的な理念であり、利休が説いた「わび茶(草庵茶湯)**」の根底には、この四つの精神が深く根付いてます。


茶の湯を通じて、互いに心を通わせ、自然と調和し、己を高めることこそが、「利休四規」の本質とされています。











❚ 次回は・・・

次回の「6-1|利休七則とは?|06.利休七則」では、千利休が茶の湯の理想として示した七つの心得について、その由来と意味を概観します。




利休が生涯をかけて追求した茶の精神が、どのような言葉として結実したのか、後世に与えた影響も含めて丁寧にご紹介します。












 

登場人物


  • 千利休|せんりきゅう

……… 天下三宗匠|千家開祖|抛筌斎|千宗易|1522年―1591年









 

用語解説


  • 一座建立|いちざこんりゅう

……… 亭主と客が一体となり、心を通わせる理想の茶会の状態。


  • わび茶(草庵茶湯)|わびちゃ

……… 利休が完成させた、簡素・静寂を重んじる茶の湯の様式。









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