3-1|遺偈とは?|03.利休の遺偈|千宗易利休|抛筌斎
- ewatanabe1952

- 2023年6月6日
- 読了時間: 3分
更新日:9月16日
全10回 抛筌斎 千宗易 利休

利休の遺偈
― 遺偈とは? ―
❚ 最後のことば

「遺偈とは?」、千利休**が最期に遺した辞世**の詩文**「遺偈」について、その本質と宗教的背景を紐解いていきます。
この言葉には、利休が生涯をかけて体現した茶の湯と禅の精神が凝縮されています。
まずは「遺偈」とは何か、その根本的な意味と禅宗**における位置づけを明らかにし、次項の実際の詩文解釈に向けた基礎理解を深めていきましょう。
❚ 遺偈とは?

「遺偈」とは、禅僧**が臨終の際に遺す仏教詩文のことを指し、単なる辞世の句ではなく、その人物の――悟りの境地――や――生涯の哲学――を凝縮した表現です。
特に禅宗では、遺偈は教えの伝承や境涯の証として、極めて重要な意味をもつとされています。
利休の遺偈もまた、そうした禅宗的伝統を背景にしており、死を前にした茶人がいかなる覚悟と境地を持ち、何を後世に伝えようとしたかを知るうえで、極めて貴重な手がかりとなります。
❚ 偈とは
「偈」とは、仏教**の教えを韻文**形式で表した詩句のことで、サンスクリット語**「gāthā(ガーター)」を音写した語です。
一般的に四字・五字・七字からなる四句構成で、仏の徳や悟りを称える内容が多く含まれます。
表記には以下の異称もあります。
■ 音訳 ――
偈陀(げた)、伽陀(かだ)
■ 漢語 ――
頌(じゅ)、讃(さん)
❚ 偈頌(げじゅ)とは?
「偈頌」とは、禅宗において僧が悟りを開いた際、その境地を詩文形式で表現する伝統的手法です。
その目的には、以下の3点が挙げられます。
❞
・自らの悟りを象徴する表現 ・師から弟子への教えを伝える ・生涯の思想を凝縮して後世に遺す
❝
❚ 伝えたいこと

遺偈は、禅宗の伝統に基づいたものであり、その生涯の境地と、茶の湯を極めた者としての最期の言葉が込められています。
「遺偈」とは、単なる辞世の句ではなく、死を迎えるにあたり自身の思想・人生観・悟りの境地を詩文に凝縮して表現したものであり、特に禅宗においては重要な儀礼とされています。
千利休の遺偈もまた、この禅宗の伝統に則り、利休の到達した悟りと茶の湯の精神が深く刻まれているのです。
❚ 次回は・・・
次回の「3-2|利休の遺偈|03.利休の遺偈」では、利休が残した遺偈の全文を取り上げ、その一語一句に込められた精神や死生観、そして茶の湯との結びつきを深く読み解いていきます。
登場人物
千利休|せん・りきゅう
……… 天下三宗匠|千家開祖|抛筌斎|千宗易|1522年―1591年
用語解説
辞世|じせい
……… 。
詩文|しぶん
……… 。
禅宗|ぜんしゅう
……… 。
禅僧|ぜんそう
……… 。
仏教|ぶっきょう
……… 。
韻文|いんぶん
……… 。
サンスクリット語|さんすくりっとご。
……… 。

