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特集|千家十職とは?|はじめの一歩|茶道入門ガイド

更新日:10月17日

はじめの一歩



「千家十職とは?」の文字と着物姿の女性が本を広げて読む姿が描かれた「特集|千家十職とは?」ページの冒頭画像。


■ 特 集 ■

千家十職とは?






❚ はじめに

この度は「茶道プラス(310plus.com)」へご訪問いただき、誠にありがとうございます。

特集記事では、これから茶道をはじめる方に向けて、「はじめの一歩」となる基本の知識を、やさしくわかりやすく解説しています。



本ページでは、茶道を学ぶ上で重要な要素のひとつである「千家十職」について、初心者の方にもイメージしやすい形でご紹介します。また、すでに茶道に親しんでいる方にとっても、基本を振り返るきっかけとして活用いただける内容です。



まずは気軽に、茶道の世界をのぞいてみてください。









❚ 千家十職とは?

千家十職(せんけじゅっしょく)とは、表千家・裏千家・武者小路千家の三千家に出入りし、茶道具の制作と技術の継承を専門とする十の職家の総称です。



茶碗、釜、茶筌、茶杓、竹細工、塗物、指物など、それぞれの分野において卓越した技術を持ち、千家の御好物や茶の湯の精神に寄り添った茶道具を代々にわたり制作しています。



千家十職は単なる職人集団ではなく、千利休(1522–1591)の理念を深く理解し、茶会にふさわしい茶道具を生み出すことが求められる存在です。各家で生み出された道具は単なる用具としての機能を超え、利休の茶の湯の精神と美意識を体現する重要な要素となっています。











❚ 千家十職の成り立ち

千家十職の起源は、江戸時代(1603-1868)にまで遡ります。

茶の湯の大成期には、三千家に道具を納める職家は二十家以上あったとされますが、時代とともに徐々に整理され、やがて今日と同じ十家に固定化されました。



その後、大正時代(1912-1926)に入り「千家十職」という呼称が一般化され、昭和八年(1933年)には十家による『十備会』が結成。昭和六十年(1985年)には歴史と伝統を守るため『十職会』が発足しました。











❚ 十家の役割

千家十職は、以下の十の専門分野に分かれ、それぞれが茶道具の美と機能を高める役割を担っています。



  • 樂家|樂吉左衛門・・・茶碗師。

  • 永楽家|永楽善五郎・・・土風炉・焼物師

  • 大西家|大西清右衛門・・・釜師

  • 奥村家|奥村吉兵衛家・・・表具師

  • 黒田家|黒田正玄家・・・竹細工・柄杓師

  • 駒澤家|駒澤利斎家・・・指物師

  • 土田家|土田友湖・・・袋師

  • 中川家|中川浄益・・・金物師

  • 中村家|中村宗哲家・・・塗師

  • 飛来家|飛来一閑・・・一閑張細工師



これらの職家は自由な創作ではなく、千家の御好みと「利休好み」の形や色を基本に制作を行います。伝統技法を守りつつ、時代ごとの御家元の意向や茶人の感性を反映させることで、茶道具の美と精神性を保ち続けています。











❚ まとめ

千家十職は、三千家の茶道を支え、茶道具の品質と美を守り続ける十の専門職家です。



江戸時代から現代に至る長い歴史の中で、固定された十家が千家の茶の湯を支える役割を担い、御家元の意向と茶の湯の精神を体現する道具を制作してきました。



職人の技術や歴史を知ることで、茶道の体験はより深く、豊かで意味のあるものになります。










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茶道具|中古道具市
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