特集|千家十職とは?|はじめの一歩|茶道入門ガイド
- ewatanabe1952

- 2022年12月21日
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更新日:33 分前
はじめの一歩

■ はじめの一歩 ■
千家十職とは?
❚ 千家十職とは?
千家十職~せんけじっしょく(じゅっしょく)~とは、表千家・裏千家・武者小路千家の三千家に出入りし、茶道具の制作と技術の継承を担う十の職家のことを指します。
茶碗、釜、茶筌、茶杓、竹細工、塗物、指物など、それぞれの分野において卓越した技術を持ち、千家の御好物や茶の湯の精神に寄り添った茶道具を代々にわたり制作してきました。
千家十職は、単なる職人集団ではなく、千家開祖/千宗易利休(1522-1591)の理念を深く理解し、茶会にふさわしい道具を生み出すことが求められる存在です。
各家で造られる道具は、実用性を超えて茶の湯の精神と美意識を体現するものとして尊ばれています。
「千家十職」の起源は江戸時代(1603-1868)に遡り、当時、三千家に道具を納める職家は二十家以上ありましたが、時代の移り変わりとともに整理され、やがて今日の十家に定まりました。
大正四年(1915年)に百貨店で開催された「十職展」をきっかけに「千家十職」という呼称が広まり、昭和八年(1933年)に十家による「十備会」が結成、さらに昭和六十年(1985年)には伝統継承を目的とした「十職会」が発足しています。
十の職家は、自由な創作ではなく、千家御家元の御好みや利休御好みの形や意匠を基本に制作を行います。伝統技法を受け継ぎながらも、各時代の御家元の意向や茶人の感性を映し出すことで、茶道具の美と茶の湯の精神を今日まで守り続けています。
千家十職は、三千家の茶の湯を陰で支える十の専門職家です。江戸時代から現代に至るまで、御家元の信頼のもとに茶道具を作り続け、その一つひとつが茶の湯の世界に深みと品格を与えています。職人たちの歴史と技を知ることは、茶道の理解をより豊かにし、茶の湯の本質に近づく第一歩となるでしょう。



