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特集|茶会とは?|はじめの一歩|茶道入門ガイド

はじめの一歩



「茶会とは?」の文字と着物姿の女性が本を広げて読む姿が描かれた「特集|茶会とは?」ページの冒頭画像。


■ 特 集 ■

茶会とは?






❚ はじめに

この度は「茶道プラス(310plus.com)」へご訪問いただき、誠にありがとうございます。

特集記事では、これから茶道をはじめる方に向けて、「はじめの一歩」となる基本の知識を、やさしくわかりやすく解説しています。



本ページでは、茶道を学ぶ上で重要な要素のひとつである「茶会」について、初心者の方にもイメージしやすい形でご紹介します。また、すでに茶道に親しんでいる方にとっても、基本を振り返るきっかけとして活用いただける内容です。



まずは気軽に、茶道の世界をのぞいてみてください。










❚ 茶会とは?

茶会とは、本来「茶を中心とした集い」を意味する広い概念です。

茶道における実践の場として、亭主が客人をもてなし、一服のお茶を通じて季節感や趣向、精神性を共有する文化的な会を指すことが多いです。



今日では茶室で開かれる正式な茶会だけでなく、屋外で開かれる野点や地域イベントなど、開催場所や形式はさまざまで開催の目的によって多種多様な茶会のスタイルが存在しています。










❚ 茶会と茶事

茶道において正式な茶の湯の場は「茶事」を指します。

茶事とは、懐石・濃茶・薄茶、で客人をもてなす一連の流れを備え、亭主の趣向と作法が凝縮された、最も格式の高い茶の湯の形です。



一方で、広義の「茶会」は茶事を含みつつ、それ以外の略式な形式も含みます。

今日では多くの茶会が茶事を簡略化し、薄茶のみを中心にした形式で行われています。



つまり、茶会とは「茶を媒介とした集い」全般を指し、その中で茶事が最も格式高い正式な形といえます。











❚ 茶会の背景

茶会の原型は室町時代(1336-1573)にさかのぼります。武家や公家の間で「会所」に集まり、唐物の茶器を鑑賞しながら茶を飲む「茶寄合」などが茶会の起源とされています。



その後、村田珠光(1423-1502)、武野紹鴎(1502-1555)らによって精神性を重視する茶の湯が生まれ、後に千利休(1522-1591)によって「わび茶」が大成されました。



戦国時代になると、茶会は単なる嗜好の場ではなく、政治的な意味合いを強く帯びるようになります。大名や武将たちは茶室を密談や会議の場として活用し、茶器の献上や茶会の招待が政治的な権力関係を示す手段にもなりました。



豊臣秀吉(1537-1598)が天正十五年(1587年)に開催した「北野大茶湯」はその代表的な例で、身分を問わず多くの人々が参加した大規模な茶会として知られています。この北野大茶湯は、茶の湯が武家社会を超えて広く文化として普及していく契機ともなりました。



江戸時代以降、茶会は町人・庶民へと広がり、格式ある茶事から略式の茶会まで多様な形式が確立。明治以降は流派ごとの特色が強まり、今日では流派を問わず、体験型の茶会や地域イベントとしても親しまれています。











❚ 茶会

今日で広く行われる「茶会」は、茶事を簡略化し、大勢の客人をもてなす「大寄せ茶会」と呼ばれる形式が主流となっています。正式な茶事のような懐石や濃茶の席は設けず、薄茶を中心とした亭主の趣向とおもてなしを味わいます。

また「大寄せ茶会」は、茶室に限らず、ホテル・公共施設・庭園・寺院など多様な場所で開催されています。



茶会のおおまなか流れは以下のとおりです


受付/待合・・・ 参加者は受付を済ませ、待合にて順番を待ちます。その際に亭主の趣向に合わせた床の間や道具組を観賞しながら心を整えます。
席入り・・・ 案内に従い茶室へ入り、正客から順に着座します。初心者の方は正客(先頭)、次客(2番目)、末客(最後)の席は避けて座ります。
挨拶・・・ 亭主の挨拶があり、掛物や花、道具などの趣向を味わいます。
薄茶席・・・ 亭主が点てた薄茶を一服いただきます。お菓子が添えられるのが一般的です。
道具拝見/退席・・・ 亭主と客人の挨拶を交わし、道具を拝見し、静かに退出します。



このような簡略化された形式でも、亭主の趣向や季節感が随所に表現され、茶の湯の精神を体感できます。











❚ 茶会の心得

多くの茶会では特別な資格・条件は必要はなく、初心者の方も気軽に参加でき、所作は亭主や係の案内に従えば問題ありません。



しかし、たとえ初心者の方であっても茶席の中では心得とマナーは忘れてはいけません。

初心者の方が茶会に参加する際の基本的な心得として次の点が挙げられます。



  • 服装は清潔で静かな印象のものを選び、ジーンズなど畳を傷つける服は避ける

  • 時計や宝石など、茶器を傷つける恐れのある装飾品は外す

  • 靴下は清潔なものを用意する

  • 亭主・道具・空間に対して敬意を払う



流派や茶会の主旨、開催場所などにより、服装や持物などの多少の違いはありますが、最も大切なのは、亭主と道具に敬意を払い、清潔で静かな心で茶を味わう姿勢です。











❚ 茶会をもっと知る

茶会は、正式な茶事から略式の大寄せ茶会まで、さまざまな形でおこなわれています。

戦国期には政治の舞台として、近代以降は文化と交流の場として機能してきました。

今日では、自治体主催のコミュニティ茶会、流派による献茶式、展覧会に併設される呈茶席、稽古の成果を披露する茶会など多彩な場面で行われています。



その根底にあるのは、千利休以来変わらぬ茶道の精神「和敬清寂」。

茶会は、茶を介して人の心を結ぶ、日本文化を象徴する重要な時間といえるでしょう。











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